2006年5月30日火曜日

GyaOの苦しみの理由

【レポート】GyaOの苦しみ - 独自コンテンツの死角と活路 (MYCOMジャーナル)

GyaOの上の記事は、経済批評にありがちな、実態を見ずに、数値や与えられたデータだけから判断している記事ですね。木を見て森を見ずの逆。独自コンテンツでテレビ局に対抗しようとしているのに力量不足だという内容なのですが、コンテンツの内容として、GyaOには新旧のアニメなどが豊富であるし、面白い映画も置いてあるのでとても魅力的だと思います。独自コンテンツがなくても、過去の映像のアーカイブはこんなにも魅力的なのかと思わされるくらいです。ビデオやDVDのレンタル店にいく気分ですね。

それと同時に、ポルノ的なコンテンツも多いから、うかつにGyaOは開けないという事情はさておき、視聴し始めてわかることは、強制的に広告を見させられる時間が長いということ。広告再生中に画面も非表示にできないし、大きさも自由には変えられない(ブラウザを強制的に全画面表示にする方式は特に最低です)

今は、HDDディスクレコーダーなどで、広告をスキップしてTVを見られる時代です。ロケーションフリーテレビを使えば、自宅に取りためた映像をネット越しに見られるところまで来ています。コンピュータを経由して映像を見るからには、テレビを越える快適さが大事です。まず、そもそも映像的にはパソコンのディスプレイ(液晶)は、表示速度、色の補完性能に関してブラウン管のテレビにはるかに劣ります。

その質の悪さだけでも辛いのに、広告を見なくては番組が視聴できないという不便が視聴者に課せられます。時代錯誤もいいところです。テレビと同じビジネスモデルがネットの世界で通用するはずがありません。広告を番組視聴中に見せる、番組と連動させて商品ページにつなげるなどの工夫が必要です。上の記事では、安い費用で番組を制作していることを非難していますが、ここは逆にメリットになるともいえます。中小企業でも、高い広告費や、制作費を使わずに、独自コンテンツを映像という形で情報発信できる場ができているということです。

広告なしで映像を配信する有料のサービスもあるのでしょう。けれど、そこまでの誘導の仕方もスムーズではありません。無料コンテンツを見るのも苦痛であるし、誘導の下手さ加減でかなりの顧客を逃していると考えられます。無料を売りにしているのに、有料サービスを前面に出せないという事情もあるのでしょう。そもそも完全無料という謳い文句は、顧客を集めるため、知名度をあげるために見栄を切っているだけとも考えられます。

GyaOは、新しいメディアを使っているのに、何一つ新しい機能や満足感を与えてくれません。一度使ったことがある人なら、誰もが感じていることでしょう。GyaOの収益が悪い理由は、視聴者にとって不便だからという一言につきます。今のままでは広告用のメディアとしても魅力的ではありません。木を見て森を見ずという以前に、木すらも見ずに記事を書くのはいかがなものかと。MYCOMはタイムリーな情報は提供してくれるけれど、記者の質が低いからか記事が面白くないのです。

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